羽生まゐご 【歌詞考察】羽生まゐご『ぼくのかみさま』――灰の向こうに灯るアフター系の狼煙 夕立に溶けるカラスの羽ばたき、地面にのしかかる影の群れ。羽生まゐごの楽曲『ぼくのかみさま』(2024)は、開幕一行目から“世界の終わり”ではなく「世界がぽっかり歯抜けになった後」の静寂へと私たちを投げ込む。本論では少年の狼煙の秘密を探りたい。 2025.05.18 羽生まゐご
DECO*27 【歌詞考察】DECO*27『テレパシ』「あいうぉんちゅーコールが届かない」が映すリスク化された恋と残響 『テレパシ』は、軽快なビートに乗せてリスナーをいたずらっぽく手招きしつつ、“伝わらなさ”という静かな切なさをそっと差し出してくる。「あいうぉんちゅーコールが届かない」という冗談めかした歌詞から、本曲の「もどかしい恋」を描いていく。 2025.05.18 DECO*27
ピノキオピー 【歌詞考察】ピノキオピー『神っぽいな』—「“ぽい”の深淵とちいさな祈り 021年の年の瀬に公開されたピノキオピーの『神っぽいな』は耳に残るメロディや鋭い歌詞以上に、たった一語の “ぽい” がわたしたちの暮らし方そのものをそっと映している。この曲は問う。「誰かに見せるための“それっぽい自分”をつくる時、心の芯はどうなっているのか?」と。 2025.05.18 ピノキオピー
なきそ 【歌詞考察】なきそ『化けの花』──咲き戻れない花は誰を映すか タイトルが示す〈化ける〉は「本来とは異なるものに変ずる」瞬間を凝縮する語である。咲いてしまった花は二度と蕾に戻らない。本稿は、この不可逆性と他者の視線を暴力化する構図から、歌詞に潜む<私>と社会の摩擦を読み解く。 2025.05.18 なきそ
ピノキオピー 【歌詞考察】ピノキオピー『超主人公』「主人公 or DIE」の檻を破壊せよ――〈アフター系〉の余震と〈他者のリスク化〉の閾値 ピノキオピーのボカロ曲『超主人公』(2022)は、Hero と Mob を二項対立で迫り、〈主人公 or DIE〉という極端な選別ロジックを反復させる。本曲を取り上げる理由は明快だ。この空疎な無限ループのなかにどのような希望があるのかを歌詞から探るのである。 2025.05.18 ピノキオピー
ツキミ 【歌詞考察】ツキミ『フォニイ』─嘘と“私”の境界線で踊る声 ツミキによるボーカロイド楽曲『フォニイ』は、2021年に発表されて以降、異例のスピードで再生数を伸ばし、瞬く間に「現代的虚構の象徴」とも呼ぶべき存在となった。この楽曲は、たんに「嘘をつく少女」の物語ではない。それは、自己と他者の関係性が希薄になり、世界そのものがフェイクで満ちているという“現代の不安”を映し出す歌である。 2025.05.18 ツキミ
カンザキイオリ 【歌詞考察】カンザキイオリ『命に嫌われている。』生きることのエラーを抱きしめて―〈アフター系〉の萌芽と詩学 2017年に投稿されたカンザキイオリの楽曲『命に嫌われている。』は、瞬く間に多くのリスナーの心をとらえた。ここでは、本作を一つの“励ましの歌”としてだけでなく、「終わってしまったものを前提に、それでも生きることを続けてしまう存在」に関する物語として捉え直したい。 2025.05.18 カンザキイオリ
柊マグネタイト 【歌詞考察】柊マグネタイト『テトリス』――崩れ落ちるブロックの狭間で、わからなさを抱きしめる 柊マグネタイト『テトリス』は、半年を経た今も動画サイトで日々コメントを積み上げている。ここでは『テトリス』の歌詞の残酷さを浮き彫りにしていく。ブロックが一瞬で底へ落ちるように、私たちの言葉や感情もセーブの余地なくネットの地表に叩きつけられる残酷さを。 2025.05.18 柊マグネタイト
吉田夜世 【歌詞考察】吉田夜世『オーバーライド』──「上書き不能」の時代を歌い継ぐ 2023年末に公開された吉田夜世のボカロ曲 『オーバーライド』 は、開幕早々に〈ガチャ〉のメタファーを突き立てる。本論では歌詞から、この〈ガチャ〉のメタファーを通じて『オーバーライド』が何を訴えているのか、その秘密を考察していく。 2025.05.18 吉田夜世