なきそ

【歌詞考察】なきそ『化けの花』──咲き戻れない花は誰を映すか

タイトルが示す〈化ける〉は「本来とは異なるものに変ずる」瞬間を凝縮する語である。咲いてしまった花は二度と蕾に戻らない。本稿は、この不可逆性と他者の視線を暴力化する構図から、歌詞に潜む<私>と社会の摩擦を読み解く。
ピノキオピー

【歌詞考察】ピノキオピー『超主人公』「主人公 or DIE」の檻を破壊せよ――〈アフター系〉の余震と〈他者のリスク化〉の閾値

ピノキオピーのボカロ曲『超主人公』(2022)は、Hero と Mob を二項対立で迫り、〈主人公 or DIE〉という極端な選別ロジックを反復させる。本曲を取り上げる理由は明快だ。この空疎な無限ループのなかにどのような希望があるのかを歌詞から探るのである。
柊マグネタイト

【歌詞考察】柊マグネタイト『テトリス』――崩れ落ちるブロックの狭間で、わからなさを抱きしめる

柊マグネタイト『テトリス』は、半年を経た今も動画サイトで日々コメントを積み上げている。ここでは『テトリス』の歌詞の残酷さを浮き彫りにしていく。ブロックが一瞬で底へ落ちるように、私たちの言葉や感情もセーブの余地なくネットの地表に叩きつけられる残酷さを。